脂肪肝 に関して
脂肪肝 (非アルコール性脂肪肝) とは
脂肪肝 とは肝臓の細胞の30%以上に脂肪がたまる疾患のことで、採血検査や超音波検査などの健康診断で指摘されることが多い疾患です。放置すると慢性肝炎→肝硬変と進行し、肝細胞癌を発症したり、肝不全になり生命を保てなくなるため、早期発見・早期治療が重要です。
詳細
- 脂肪肝の中でアルコール・ウイルス・薬剤・遺伝子疾患などによる肝障害が否定された脂肪肝を非アルコール性脂肪肝という。
- 非アルコール性脂肪肝は肝炎に進行しない単純性脂肪肝と、慢性肝炎・肝硬変に進行する非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) に分類される。
- 日本での罹患数は非アルコール性脂肪肝:約2250万人、NASH:約350万人、線維化進行NASH:66万人 (2021年) と推測されており、有病率は男性で3人に1人、女性で5人に1人と近年増加している。
脂肪肝 (非アルコール性脂肪肝) の原因
- 肥満 (内臓脂肪量が多いとリスクが高い)
- インスリン抵抗性 (2型糖尿病)、脂質異常症、高血圧症、メタボリックシンドローム など。
脂肪肝 (非アルコール性脂肪肝) において大事なこと
- 早期発見が重要。健診等で指摘された場合に放置しない。症状が出る前に治療を始める。
- 肝炎が進行している場合には肝線維化の程度を把握し、早期に治療を開始する。
- 肝臓の線維化の進行を食い止める。肝硬変にしない。
- 治療は肥満の改善 (目標は7%の減量)、合併している生活習慣病の治療、がメイン。
- 肝硬変に進行している場合は、進行を防ぐ治療と同時に、併存する症状の改善を目指す治療を行う。
脂肪肝 (非アルコール性脂肪肝) の方の治療目標
- 食事療法、運動療法で現体重から7%の減量。
※食事療法(低カロリー、炭水化物・脂質制限食)と運動療法(有酸素運動+筋力トレーニング)を行い減量することで、肝機能が改善すると言われています (減量7%:脂肪化、炎症細胞浸潤が軽減、減量10%以上:肝線維化も改善)。
脂肪肝 (非アルコール性脂肪肝) に関して詳しくは下記をご覧ください
著者紹介:徳永竜馬
副院長、医師、医学博士
資格
- 日本外科学会 専門医
- 消化器外科学会 専門医・指導医
- 消化器病学会 専門医・指導医
- がん治療認定医
- 消化器内視鏡学会 専門医
- 胃腸科専門医
- 大腸肛門病学会 専門医
- 認定産業医
略歴
- 熊本市立東町小学校
- 熊本市立桜木中学校
- 熊本県立熊本高校
- 広島大学医学部医学科
- 熊本大学大学院医学教育部 (学位取得)