慢性腎臓病 とは
慢性腎臓病 とは腎臓の機能が慢性的に低下した状態で、進行すると腎不全に至り人工透析や腎移植を必要とします。慢性腎臓病 は糖尿病や高血圧などの生活習慣病と関連しており、心血管疾患 (心筋梗塞や脳卒中) の発症にも関与しているため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
概要
- 採血検査で糸球体濾過量 (eGFR) が 60 ml/分/1.73㎡ 未満 であったり、尿検査で尿たんぱくが陽性である場合に診断される。
- 現在の腎機能を保つ。悪化を防ぐことが大事。
- 透析導入の原因疾患は①糖尿病性、②慢性糸球体腎炎、③高血圧性 (2020年)
慢性腎臓病 の原因
- 腎臓自体の病気:慢性糸球体腎炎、多発性嚢胞腎、慢性腎盂腎炎、間質性腎炎 など。
- その他の原因:糖尿病 (糖尿病性腎症)、高血圧 (腎硬化症) などの生活習慣病。
※ 日本における透析導入の原因疾患の割合:糖尿病性腎症 (39.5%)、慢性糸球体腎炎 (25.3%)、腎硬化症 (12.1%)、多発性嚢胞腎 (3.7%)、慢性腎盂腎炎・間質性腎炎 (0.8%) (2020年)
慢性腎臓病 において大事なこと
- まずは腎機能をチェックする (健診等で指摘された場合に放置しない) 。
- 腎臓機能が低下している原因を調べる。
- 腎臓の疾患が原因の場合はその治療を行う。生活習慣病が原因の場合は生活習慣病の治療を行う。
- 腎機能低下の程度を評価して、腎機能低下の増悪を抑えることを目標とする。
- 内服薬での治療に加え、食事改善(減塩、低蛋白)、肥満解消、適度な運動、節酒、禁煙を行う。
- 慢性腎臓病には心血管系の病気(心筋梗塞、脳梗塞など)が合併しやすいので定期的に検査を行う。
慢性腎臓病 の方の治療目標
- 採血検査で eGFR が 60 以上。尿検査で 尿たんぱくなし、血尿なし。
- 現状維持もしくは疾患治療による改善。可能な限り腎機能の低下を防ぐ。
※腎機能低下の原因を調べ、糖尿病や高血圧の管理を行い、腎機能の悪化を防ぐことが最も重要です。
慢性腎臓病 に関して詳しくは下記をご覧ください
著者紹介:徳永竜馬
副院長、医師、医学博士
資格
- 日本外科学会 専門医
- 消化器外科学会 専門医・指導医
- 消化器病学会 専門医・指導医
- がん治療認定医
- 消化器内視鏡学会 専門医
- 胃腸科専門医
- 大腸肛門病学会 専門医
- 認定産業医
略歴
- 熊本市立東町小学校
- 熊本市立桜木中学校
- 熊本県立熊本高校
- 広島大学医学部医学科
- 熊本大学大学院医学教育部 (学位取得)