骨粗鬆症 に関して
骨粗鬆症 とは
骨は、破骨細胞が古くなった骨を溶かし (骨吸収)、骨芽細胞が新しく骨をつくる (骨形成) ことを繰り返し強度を保っています。骨粗鬆症 は骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨強度が低下し、骨折の危険性が増大した状態です。病的な状態ですが自覚症状がないので注意が必要です。
骨粗鬆症 の特徴
- 日本における患者さん数は約1300万人 (2005年)。
- 椎体、大腿骨近位部、下腿骨、前腕骨、上腕骨近位部、肋骨 の骨折を生じやすい。
- 大腿骨近位部骨折、椎体骨折は骨粗鬆症の方に多く、日常生活への影響が大きい (大腿骨近位部骨折受傷1年後の 死亡率は約20%、自立歩行不能は約40%、生活の自立不能は約60%)。
骨粗鬆症 において大事なこと
- まずは必要時に骨量を測定する (スクリーニング対象者:脆弱性骨折の既往あり、骨粗鬆症のリスクあり、70歳以上の男性、65歳以上の女性)。
- 骨粗鬆症は骨の病的老化であるため、明らかな疾患であることに留意する。
- 骨粗鬆症のリスク (生活習慣病との関連が強い):①加齢 ②喫煙 ③低体重 ④過度の飲酒 ⑤運動不足 ⑥骨折歴 ⑦糖尿病 ⑧慢性腎不全 ⑨ステロイド投与中 ⑩関節リウマチ ⑪クッシング症候群 ⑫副甲状腺機能亢進症 ⑬両親の大腿骨近位部骨折歴 など。
- 骨量はレントゲンを用いたDXA検査で測定する。
- 食事、運動、骨粗鬆症リスク因子の排除に加えて、内服・注射による薬物治療で骨粗鬆症の治療を行う。
- 薬物治療としては主に活性型ビタミンD製剤と骨吸収抑制薬を併用する。
- 薬物療法は副作用もあるため、漫然と治療を続けない。
骨粗鬆症 の治療目標
- 骨折予防 (再骨折リスクも下げる)、寝たきり予防、健康寿命の延長、死亡率の低下。
※ 骨粗鬆症は自覚症状がなく見逃されやすい病気です。生活の質を保つために、検査をすること、必要時に早期に治療を開始すること、が最も重要です。
骨粗鬆症 に関して詳しくは下記をご覧ください
著者紹介:徳永竜馬
副院長、医師、医学博士
資格
- 日本外科学会 専門医
- 消化器外科学会 専門医・指導医
- 消化器病学会 専門医・指導医
- がん治療認定医
- 消化器内視鏡学会 専門医
- 胃腸科専門医
- 大腸肛門病学会 専門医
- 認定産業医
略歴
- 熊本市立東町小学校
- 熊本市立桜木中学校
- 熊本県立熊本高校
- 広島大学医学部医学科
- 熊本大学大学院医学教育部 (学位取得)