ピロリ菌 に関して
ピロリ菌 とは
ピロリ菌とは胃の粘膜に感染する細菌で、胃・十二指腸潰瘍や胃癌などを引き起こします。すごく小さいので顕微鏡でないと見えず、多くの場合は感染しても無症状です。しかし、感染すると胃粘膜の炎症と萎縮を引き起こし、様々な病気と関連するといわれています。
知らないうちに感染していることがあるため、感染の有無をチェックし、早期に除菌することが重要です。
ピロリ菌 と関連のある病気
- 胃癌
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
- 慢性胃炎 (萎縮性胃炎)
- 胃MALTリンパ腫
- 特発性血小板減少性紫斑病
他にも 過形成ポリープ、ピロリ関連ディスペプシア、小児の鉄欠乏性貧血、慢性蕁麻疹、Cap polyposis (大腸の炎症性疾患)、胃びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、直腸MALTリンパ腫、パーキンソン症候群、アルツハイマー病、糖尿病 などとの関連が報告されている。
ピロリ菌 感染症の特徴
- ピロリ菌は口から入って、知らないうちに胃の中に住み着く。
- 多くは5歳以下で感染し、家族内感染が多いといわれている。成人は一過性感染 (気づいたらいなくなっている) で終わりやすい。
- 感染者数は日本を含めた東アジア、アフリカ、南米に多い (欧米は少ない)。
- 日本における感染者は高齢の方に多く、感染者数は減少してきている。
- 日本を含めた東アジアのピロリ菌は強く癌化を促進するので、東アジアに胃癌が多い。
ピロリ菌 に感染すると胃のなかはどうなる?
① ピロリ菌に感染していない胃 (上部消化管内視鏡検査結果):炎症がなく、腫れぼったくない。
② ピロリ菌に感染している胃 (上部消化管内視鏡検査結果):炎症があって、赤く、腫れぼったい。白っぽい領域もある。
③ 過去にピロリ菌に感染していた胃 (上部消化管内視鏡検査結果):①と②の特徴を持つ。白っぽい領域の境界が分かりにくい。
ピロリ菌 に関して大事なこと
- 胃カメラ (上部消化管内視鏡検査) を受ける (症状があった場合に、検診で、気になる場合に)。
- ピロリ菌がいそうな場合はピロリ菌のチェックを受ける。
- いる場合には除菌治療 (胃薬と2種類の抗菌薬を1週間のむ) を行い、ピロリ菌をたおす。
- いた場合は、除菌後でも胃癌のリスクはやや上がるので、定期的に胃カメラを受ける。
ピロリ菌 に関して詳しくは下記をご覧ください
著者紹介:徳永竜馬
副院長、医師、医学博士
資格
- 日本外科学会 専門医
- 消化器外科学会 専門医・指導医
- 消化器病学会 専門医・指導医
- がん治療認定医
- 消化器内視鏡学会 専門医
- 胃腸科専門医
- 大腸肛門病学会 専門医
- 認定産業医
略歴
- 熊本市立東町小学校
- 熊本市立桜木中学校
- 熊本県立熊本高校
- 広島大学医学部医学科
- 熊本大学大学院医学教育部 (学位取得)