下気道感染症 に関して

下気道感染症 とは

下気道のどこかに微生物 (ウイルス、細菌 など) の感染がおきて、症状をきたす疾患群です。症状としては咳、痰、呼吸苦、胸痛などがあります。肺炎であることを除外することが重要なため、場合によっては詳細な検査が必要です。 

診断する際の考え方

  • 上気道感染症の症状 (しゃみ、鼻汁、鼻づまり) があっても、咳や痰が多い時は下気道感染症も疑う。
  • 新興感染症によるものが増えてきている:COVID-19 (コロナ)、SARS、鳥インフルエンザ など。ほとんどが人獣共通感染症。
  • 細菌性感染症には抗菌薬が有効。しかし、近年では抗菌薬耐性化が広がり、市中肺炎が難治化する可能性がある。
  • 超高齢社会において、誤嚥性肺炎を含めた高齢者の肺炎が増えてきている。
下気道感染症 のイメージ画像

下気道感染症 に含まれる疾患 (それぞれについて詳しくは下記のスライドをご参照下さい)

  • 急性気管支炎:肺に至る気管~気管支の感染症。90%以上がウイルス感染症。まれに細菌感染。
  • 急性細気管支炎:2歳以下の乳児 (特に6カ月前後) に好発、特に冬に多い。主にウイルス感染症。
  • 肺炎:様々な原因で肺に炎症が起こる病気。日本人の死因の第3位。

下気道感染症 において大事なこと

  • 細菌感染症には抗菌薬治療が効果あり。
  • ウイルス感染症に対する治療の基本は対症療法 (症状をとる治療、ウイルスの種類によっては抗ウイルス薬を用いる)。
  • 肺炎が重症化すると命に関わる。肺炎は日本人における死因の第3位。
  • 発熱、頻脈、呼吸数増加、酸素化低下などのバイタルサインの異常があり、改善を認めない場合は入院加療が必要。
  • 肺炎に関してはワクチンによる感染予防および、誤嚥を防ぐための嚥下リハビリテーションが重要。

下気道感染症 に関して気を付けておいてほしいこと

  • 高齢の方、呼吸器疾患の既往がある、抗癌剤治療中などの免疫力が落ちている方は重症化する可能性もあります。
  • いつもの風邪と違う、呼吸苦がある、よくわからないけど熱がある、などの場合はできるだけ早くご相談下さい。

下気道感染症 に関して詳しくは下記をご覧ください

著者紹介:徳永竜馬 


副院長、医師、医学博士

資格

  • 日本外科学会 専門医
  • 消化器外科学会 専門医・指導医
  • 消化器病学会 専門医・指導医
  • がん治療認定医
  • 消化器内視鏡学会 専門医
  • 胃腸科専門医
  • 大腸肛門病学会 専門医
  • 認定産業医

略歴

  • 熊本市立東町小学校
  • 熊本市立桜木中学校
  • 熊本県立熊本高校
  • 広島大学医学部医学科
  • 熊本大学大学院医学教育部 (学位取得)